OECDによる学習到達度調査で日本は?

OECDによる学習到達度調査で日本は?

12/06/2019
Japan

OECDは15歳を対象に義務教育で習得した知識や技能の実生活での活用を評価する生徒の学習到達度調査(The Programme for International Student Assessment:PISA)を実施しました。

「生徒の学習到達度調査」(PISA)は、社会への十分な参加に必要な重要な知識と技能をどの程度習得し ているかを評価する、世界の15歳の生徒を対象とした 3年ごとの調査です。OECDのレポートによると、この調査は読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーという主要な学校の教育分野に焦点を当てており、革新的な領域に関する 生徒の習熟度も評価しており、2018年の調査では、グローバルコンピテンシーでした。

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レポート結果では、日本の結果のポイントもまとめられており、概略を抽出すると、以下のようになります。

  • 15 歳の生徒は、読解力(504 点)、数学的リテラシー(527 点)、科学的リテラシー(529 点)で OECD 加盟国の平均得点より高い得点を獲得した。
  • 数学的リテラシーの平均得点は 2003 年から 2018 年まで安定して推移した。これに対して、読解力と科 学的リテラシーの平均得点はかなり変化しているため、これらの得点の傾向についてこの期間の全体的な変化の方 向を定めることはできない。しかし、読解力と科学的リテラシーについては、最近の傾向として明らかに低下した。
  • 読解力の平均得点の男女差(20 ポイント)は、OECD 加盟国の平均の男女差(30 ポイン ト)よりも小さかった。この期間の男子の成績が安定している一方で、女子の成績が低下したため、この差は 2009 年から 18 ポイント減少した。
  • 恵まれている生徒(PISA の経済的社会的文化的背景指標における各国内の上位 25%)は恵まれていない生徒(PISA の経済的社会的文化的背景指標における各国内の下位 25%)よりも読解力においてより 高い得点であったが、その差は OECD 加盟国におけるこれらの 2 つのグループの差の平均よりも小さかった。社会的 経済的状況に関連するこのような差は 2009 年と 2018 年とで変化していない。
  • OECD 加盟国で平均 23%であるのに対し、17%の生徒が月に少なくとも数回いじめを受けたと回答し た。また、ほかの生徒にものを取られたり、壊されたりしたと回答した日本の生徒は3%以下だった(OECD 加盟国 平均:6.6%)ただし、日本の生徒で自分を守れない生徒に手助けすることはいいことだと回答した割合は 80%に とどまり、OECD 加盟国の平均 (88%)を下回った。
  • PISA 参加国・地域と比べ、日本の生徒は失敗に対する恐れを感じている割合が高い。日本では、77%の生徒は 自分が失敗しそうなとき、他の人が自分のことをどう思うかが気になるという見解にその通りだ又はまったくその通りだ と回答した(OECD 加盟国平均:56%の生徒)。成績の高い国は、生徒の失敗に対する恐れを感じている割合が高いという傾向がみられる。



日本の15歳の生徒は、読解力と科学的リテラシーは低下しており、失敗に対する恐れを感じている割合が高いという結論が導出されます。今日では、リテラシーを高めるためには、知識をインプットすればいい時代ではなく、インターネットで得られる膨大な情報の中から、正確に情報を集めて分析するなど、ITリテラシーに基づくインプットも重要となってきています。

また、生徒の失敗に対する恐れは、失敗を受け入れようとする柔軟な社会的環境ではないことを意味していると思われます。生徒には、失敗から学び、次に繋げていく発想の転換を身に付けることが重要だと思われます。

 

 

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