位置情報を活用した新型コロナ感染者のトラッキング

位置情報を活用した新型コロナ感染者のトラッキング

04/02/2020
Health

近年、FacebookなどのIT企業による携帯位置情報を利用した個人情報収集は、プライバシーを侵害していると批判されています。しかしながら、この携帯位置情報は、新型コロナウイルス感染者を抑えるためのソーシャルディスタンスの効果検証にも活用され始めました。2020年3月23日にScienceからアナウンスされ、Harvard South Asia Instituteから発表された医療専門家チーム「Covid-19 Mobility Data Network」が発表されました。この研究チームは、ハーバード、プリンストン、ジョンズ・ホプキンスなどの大学から派遣された研究者で構成されています。Facebook、CambersystemsCuebiqを中心としたIT企業が提供する携帯位置情報を活用して、カリフォルニア、マサチューセッツ、ニューヨーク各州の状況を把握してきました。
3月28日には、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)もこの携帯位置情報を活用して、人がどこで集まって、新型コロナウイルスの感染リスクが高まっているか(クラスター感染が起きそうか)、さらに新型コロナウイルスが小売業にどのようなインパクトがあるかを検証すると発表しました。最終的には、全米500都市の位置情報を集約したポータルの構築を目指しています。

英国やドイツでは、新たな感染者が確認された場合、過去に接触した相手に自動的に通知して自主隔離を促すアプリが開発し、政府が国民に使用を促すことを検討しています。これは、スマートフォン同士をつなぐブルートゥースなどを使い、約2メートル以内の近距離にいた人の情報を記録します。新規感染が確認された場合には、接触者に警告が届く仕組みとなっています。(参考

新型コロナ感染者が出た場合、位置情報を活用した感染者のトラッキングは、有効な抑止効果になると思われます。特に、英国やドイツで開発された当該アプリは、感染者増加を防ぐ有効な手段となりうるのではないでしょうか。

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