時計産業はどこに向かうのか

時計産業はどこに向かうのか

02/07/2020
Business

スマートフォンの普及に伴い、腕時計はしなくなりましたが、最近ではスマートフォンと連動したリストバンドやスマートウォッチが普及しています。特にライフログや活量計などのスマートウォッチは日常生活に浸透しているのではないでしょうか。

調査会社Strategy Analyticsの推計によると、Appleのスマートウォッチ「Apple Watch」の推定出荷数は、スイスの時計ブランド(Swatch、ROLEX、TISSOT、TAG Heuer)の出荷数を上回ったとの調査結果が発表されました。その昔、スイスの高級時計ブランドといえば、憧れの時計でしたが、最近ではこのような腕時計をつけている人はほとんど見かけない一方で、スマートウォッチをつけている人の方がよく見かけます。

https://japan.cnet.com/article/35149114/

Appleが2019年に全世界で出荷した「Apple Watch」は、3,070万本で同年に出荷されたスイスの時計ブランドの合計より約1,000万本も多いようです。スイス時計協会FHによると、スイス時計産業は、高額なカテゴリーもエントリーカテゴリーも、競争の激化に直面しており、特にエントリーカテゴリーでは販売本数が大幅に減少したようです。同協会によると、スイスフラン高、流通モデルの変化、香港での販売停滞、米国の大統領選挙、ロシアとトルコでの輸入規制、Y世代とZ世代の消費パターン、中古市場のブームなどを理由に挙げています。市場で見ると、アジアは香港では-11.4%、中国16.1%、日本19.9%で成長しています。アメリカは対前年比8.6%で高い成長だったようです。一方で、ヨーロッパ市場は1.0%の低い成長率だったようです。

スイスの腕時計産業は、対前年比ではまだ成長を続けていますが、スマートウォッチとの機能比較では、残念ながら劣ってしまいます。スイスの腕時計は、その確立されたブランドにより、未だ世界的に支持されてはいますが、いづれは機能が優先され、スマートウォッチが優勢の時代が来ると思われます。

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