デジタル通貨の動き

デジタル通貨の動き

02/02/2020
IT

デジタル通貨に関しては、基本的には経済のデジタル化というトレンドからは良い動きであると考えられています。ドイツ銀行が先日発表したレポートでは、2020年にFacebookのLibraや中国人民銀行が開発に取り組むデジタル人民元が立ち上がる見込みから、今後、2年から3年でデジタル通貨が普及すると予測されています。中国政府は、人民元とデジタル人民元を連動させることで価格の安定したデジタル通貨として使えるようにするようです。人民元がそのままの価値で「データ」に交換でき、ネットなどで現金と同じように扱えるようになります。中国政府は、ドル決済から人民元決済を優位にしていく狙いがあると思われます。中国ではキャッシュレス決済が普及していることもあり、政府主導のデジタル人民元が普及していくことは自然の流れかもしれません。

このような動きがあるなかで、一般的には、デジタル通貨はどの程度理解されているのでしょうか。まずは世代によって理解が異なると言えます。若年層と高齢者層でデジタル通貨の理解が異なり、高齢層の多数は仮想通貨を理解していないと考えられます。そのため、高齢化が進む国においては、デジタル通貨の普及は遅れる見方もできます。例えば、カンボジアでは、中央銀行にあたる「カンボジア国立銀行」が2020年第1四半期中に中央銀行デジタル通貨の発行準備を進めており、経済のデジタル化の一つとして、推進しています。(参考

先月、行われたダボス会議でも「物質的なお金は終わった」という意見が出ています。そして、デジタル通貨に係るプライバシーは守る必要はあるとしながらも、金融データの収集と受動的な監視の増加は、社会にとってメリットがあるとの見方があります。先進国から新興国まで監視社会に向かっていることを考えると、デジタル通貨の普及は国に都合がいいのかもしれません。

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