アイスランドにみる男女格差是正に必要なのは?

アイスランドにみる男女格差是正に必要なのは?

12/19/2019
Japan

World Economic Forum(WEF)は2019年12月17日、世界153ヵ国の男女平等の度合いをランキングした「Global Gender Gap Report 2020」を発表しました。日本は前年の110位から後退すること121位で過去最低となりました。アジア太平洋地域では20ヵ国中18位となりました。レポートはこちらです。

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評価指数は、経済、政治、教育、健康の4分野で女性の地位を分析し、総合順位を決めているようですが、WEFによると、国会議員に占める女性の割合が日本は約10%と世界で最低水準となっているそうです。WEFによると、組織における仕事の自動化が進むと女性が多く担っていると思われる定型業務の削減が加速し、女性が影響を受けやすいと指摘しています。現実問題として、RPAやサービスロボットの導入が進むことで、定型業務は減っていき、業務そのものがなくなる可能性もあります。

ランキング上位国は、北欧の国々が多いですが、首位は今年で11年連続となるアイスランドです。この国は、何故、男女格差「世界最小」なのでしょうか。2019年10月14日から16日にかけて、朝日新聞社主催「朝日地球会議2019」が開催されました。10月16日にアイスランド女性権利協会事務局長であるブリュンヒルドゥル・ヘイダル・オグ・オゥマルスドッティルさんが登壇され、アイスランドのジェンダー格差是正の歴史について講演されました。この講演から、アイスランドのジェンダー格差が世界最小となった経緯などを理解してみたいと思います。

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アイスランドは、34万人(2017年12月時点、アイスランド統計局)の北欧の小国ですが、ブリュンヒルドゥルさんは、格差が縮小するきっかけとなったのは、1975年の女性によるストライキと2008年の世界金融危機(リーマンショック)だと挙げています。1975年のストライキでは成人女性の90%の女性が参加したということで、職場や家庭でかなりの混乱があったと言われています。2008年のリーマンショックでは、「銀行のトップにも、規制当局のトップにも、女性がいなかった。有権者は、新しいものを求めていた」とブリュンヒルドゥルさんは話をされました。日本においては、果たしてこのような動きは起こりうるのでしょうか。たとえ、誰もが考えていたとしても、何も変化は起きなかったように思います。

現在では、アイスランドの国会議員の43%は女性であり、ブリュンヒルドゥルさんによると、ジェンダー格差是正に最も必要なのは「女性による政治への参画」だそうです。これは、より多くの女性が政治に参加することで、女性視点で法規が策定されることが期待でき、男女平等の法規となることを示唆しています。近年、日本でも女性の政治への関心が高まっています。今後は少しでも多くの女性政治家が増えてくることを期待したいと思います。

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